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東ソー(4042)の企業分析|ジルコニアのハイエンド市場首位と「チェーン×先端」事業再編の中期経営計画

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東ソー(4042)は、食塩電解とナフサ熱分解を起点とする統合型プロダクトチェーンの「チェーン事業」と、バイオサイエンス・高機能材料・水処理エンジニアリングからなる「先端事業」を両輪とする総合化学メーカーです。

2025年5月に発表した新中期経営計画(2025〜2027年度)では、事業区分を「チェーン事業」(食塩電解・ナフサ熱分解を起点とする統合型事業群)と「先端事業」(医薬・半導体など高成長分野)に再編。2027年度に営業利益1,400億円・ROE10%以上の達成を目指しています。2027年3月期Q1は営業利益+93.9%の大幅増益と好スタートを切りました。

会社概要 — 山口県周南の化学コンビナートから世界へ

項目

内容

会社名

東ソー株式会社(TOSOH CORPORATION)

証券コード

4042(東証プライム)

設立

1935年2月11日(2025年で創立90周年)

本社

東京都中央区八重洲(東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー)/登記上本店・主力事業所:山口県周南市(南陽事業所)

代表者

代表取締役社長 桒田 守

資本金

552億円(2026年3月末)

従業員数

14,850名(連結、2026年3月現在)

会計基準

日本基準

(出典:東ソー 会社概要

東ソーの事業・製品ページ — 自動車、エレクトロニクス、環境・エネルギー、工業用品、食品・住宅・生活、医療・医薬・分析の6分野
東ソーの事業・製品ページ

東ソーの最大の特徴は、山口県周南市の南陽事業所に大規模な化学コンビナートを持ち、原料から製品まで一貫生産できる「バリューチェーン統合型」のビジネスモデルです。塩の電気分解(食塩電解)で得られる塩素・苛性ソーダと、ナフサ熱分解で得られるオレフィンの2つを起点に、塩ビ樹脂、ウレタン原料、ポリエチレン、エチレンアミン類へと展開。自家発電所も保有し、エネルギーコストの優位性を確保しています。

業績推移 — 市況変動を乗り越えた安定配当

東ソー 売上高・営業利益の推移

出典:東ソー 決算短信各期、2027/3は会社予想

売上高は2023年3月期にピーク(1兆644億円)を付けた後、市況調整で2026年3月期は1兆199億円に。営業利益も2022年3月期の1,440億円をピークに一旦調整しましたが、2027年3月期は売上高1兆1,700億円(+14.7%)・営業利益1,050億円(+9.9%)と再成長を見込みます。Q1実績は営業利益311億円(前年同期比+93.9%)と計画を上回るペースです。

東ソー 1株配当の推移

出典:東ソー 決算短信各期。2017年10月1日付で2株を1株に併合したため、2017/3期の配当は併合後ベース(実額24円×2)に換算

1株配当は2017年3月期の48円(2017年10月の株式併合を換算)から2026年3月期は100円と約2.1倍に増配。据え置きの期を挟みつつも、業績の変動が大きいなかで減配せず安定した配当を継続しています。配当利回り3.67%は化学セクターの中でも高い水準です。

株主還元方針も中期経営計画で大きく強化されました。前中計の「配当性向30%目安」から、2025〜2027年度は総還元性向50%を基本とし、年間1株100円を下限配当として明示。配当性向が50%に届かない場合は自己株取得で総還元性向50%に引き上げ、さらに追加的還元として3ヶ年で500億円の自己株を取得する計画です(出典:東ソー 2025〜2027年度 中期経営計画説明会資料)。これが減配リスクの低さと利回りの下支え要因になっています。

新中期経営計画(2025-2027年度) — 「チェーン×先端」への転換

2025年5月に発表された新中期経営計画では、従来の「コモディティ/スペシャリティ/エンジニアリング」の3区分から、事業を大きく2つに再編しました。

新区分

内容

位置づけ

チェーン事業

食塩電解・ナフサ熱分解を起点とするプロダクトチェーン。基礎素材(オレフィン、ポリマー、化学品、ウレタン、セメント)と付加価値素材(機能性ポリマー、機能性ウレタン、有機化成品)で構成

安定収益基盤 — コスト競争力で収益を確保

先端事業

バイオサイエンス(分離精製剤、糖尿病・免疫診断システム)、高機能材料(ジルコニア、ハイシリカゼオライト、電子材料)、水処理エンジニアリング(先端半導体向け超純水プラント)

成長ドライバー — 医薬・半導体など高成長分野に集中

事業別の業績目標は次のとおりです(単位:億円)。先端事業3事業の営業利益は2024年度577億円から2027年度808億円へ増える計画で、全社目標1,400億円の約6割を占めます。とくに水処理エンジニアリングは先端事業で売上・利益ともに最大です。

事業

2024年度 売上高/営業利益

2027年度目標 売上高/営業利益

基礎素材

5,205/141

5,200/230

付加価値素材

1,320/218

1,440/320

バイオサイエンス

689/212

830/235

高機能材料

1,272/53

1,560/205

水処理エンジニアリング

1,622/311

2,240/368

その他

525/54

560/42

(出典:東ソー 2025〜2027年度 中期経営計画の概要(2025年5月23日) ≪事業別業績目標≫)

成長の柱:ジルコニアとハイシリカゼオライト

ジルコニア(酸化ジルコニウム)は、東ソーがハイエンド市場で世界トップシェアを持つ高機能セラミックス素材です。主用途は歯科材料(人工歯冠・ブリッジ)で、独自製法により高品位な粉末を安定大量生産できる技術が強み。一方で会社は、先進国の歯科材料市場の成長率を2025〜2030年で年平均+3%と見込みつつ、安価な模倣品によるハイエンド歯科材料市場の浸食を課題に挙げています。半導体CMP研磨材や燃料電池の電解質材料としても成長が期待される素材です。

ハイシリカゼオライト(HSZ)は自動車排ガス浄化触媒や石油化学プロセス触媒として使われる高機能ゼオライトで、環境規制の強化に伴い需要が拡大しています。

投資指標 — 高配当×バリューの評価

指標

数値

コメント

PER

20.6倍

純利益の減益年のため見た目は割高、今期(2027年3月期)会社予想EPS 191.63円ベースでは約14倍

PBR

1.01倍

足元で1倍前後まで回復。資本効率の改善が引き続き課題

ROE

4.5%

中計目標10%に向け改善が必要

配当利回り

3.67%

総還元性向50%・年間100円の下限配当方針が下支え

(投資指標は2026年9月1日時点の数値です。最新の株価情報は東ソーの銘柄ページをご確認ください。)

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4042素材・化学

東ソー

クロル・アルカリ(苛性ソーダ・塩ビ)と石油化学を基盤とする大手総合化学メーカー。南陽事業所にエチレンプラントを持ち、ポリエチレンや塩化ビニル樹脂を一貫生産する。中国・フィリピン・インドネシア等にも塩ビ樹脂の海外生産拠点を展開。診断薬・バイオ…

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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