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ニューラルグループ(4056)の企業分析|AI×エンタメM&A戦略で売上60%増を目指すグロース企業の実力

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ニューラルグループ(4056)は、画像認識AIやエッジAI技術を基盤に、駐車場管理・人流解析・デジタルマーケティングなどのAIソリューションを提供する企業です。

2026年に入りイベント・エンタメ企業3社を矢継ぎ早に買収し、AI×エンターテインメントの融合を加速。2026年12月期は売上高53億円(前期比+60.6%)と大幅な増収計画を掲げています。一方、Q2累計の営業損失は3.5億円と赤字が先行しており、下期の収益改善が焦点です。

この記事では、ニューラルグループの事業構造、M&A戦略、業績推移、投資判断のポイントを、個人投資家の視点からわかりやすく解説します。

会社概要 — 創業2年7ヶ月で上場したAIスタートアップ

ニューラルグループは、重松路威氏が2018年1月に「ファッションポケット」として創業したAIエンジニアリング企業です。創業からわずか2年7ヶ月で東証マザーズに上場(2020年8月)し、AI企業として注目を集めました。2019年3月にニューラルポケットへ社名変更、2023年にはホールディングス体制への移行を見据えニューラルグループへ再度商号変更しています。

項目

内容

会社名

ニューラルグループ株式会社(Neural Group Inc.)

証券コード

4056(東証グロース)

設立

2018年1月(ファッションポケット株式会社として)

上場

2020年8月(東証マザーズ)→ 2022年4月 東証グロースへ移行

代表取締役社長

重松路威

従業員数

52名(単体、2026年9月時点DB)

本社

東京都千代田区有楽町(東京ミッドタウン日比谷)

決算期

12月期

当初はファッションアイテムの画像認識AI(精度98%超)を強みにスタートしましたが、その後、駐車場や都市空間の解析、デジタルサイネージ広告、LLM開発へと事業領域を広げてきました。2026年からはM&Aを通じてエンターテインメント・イベント領域に本格参入し、「AI×エンタメ」のグループ経営へと舵を切っています。

事業構造を理解する — 2つの領域と5つのグループ会社

ニューラルグループはAIエンジニアリング事業の単一セグメントですが、社内では「イノベーション領域」と「コアサービス領域」の2つのサービスドメインに分けて開示しています。これに加え、2026年のM&Aで「エンタメ・イベント領域」が急拡大しています。

コアサービス領域 — 売上の約8割を担う収益基盤

成熟したAI技術を活用したシステム開発・プロダクト提供を行う領域です。全国12,000拠点以上に導入実績があり、営業拠点も10ヶ所以上。AI企業としては異例の全国ネットワークを構築しています。

  • デジパーク — AIカメラによる駐車場の満空検知、ナンバープレート解析、デジタルサイネージを活用した安全誘導。商業施設・物流施設・観光地など幅広い施設で採用

  • デジフロー — AIによる人流解析・可視化サービス。商業施設や都市空間のリアルタイム混雑状況を分析。2025年6月に三井不動産のららぽーと安城でAI来客カウント・車両動線解析を導入

  • デジタルマーケティング — 子会社ニューラルマーケティングが運営。全国の大阪・東京・札幌・仙台・名古屋・高松・広島・福岡に拠点を持ち、AI技術を活用したデジタル広告・マーケティング支援を展開

デジパーク(AI駐車場管理サービス)のサービス画面
出典:ニューラルグループ公式サイト

イノベーション領域 — 先端AI技術の研究開発

AIエージェントやLLM(大規模言語モデル)などの先端技術を企業と共同で研究開発する領域です。売上構成比は約2割と小さいものの、将来の競争力を左右する種まきの位置づけです。

  • NEURAL.LLM — 自社開発の大規模言語モデル。30億パラメーターから320億パラメーターへ拡張中。企業のクローズドネットワーク内で運用できるオンプレミス型が特徴で、データを外部に出せない大企業ニーズに対応

  • 画像認識AIライブラリ — 独自開発のエッジAI技術。ファッションアイテム検知で98%超の精度を実現し、リアルタイムの画像・映像解析を端末側で処理することでクラウド通信コストを削減

エンタメ・イベント領域 — 2026年M&Aで急拡大

2026年に入り、3社を矢継ぎ早に買収してエンターテインメント・イベント領域に本格参入しました。

子会社名

事業内容

売上高

取得日

ポマト・プロ

式典・展示会の企画・制作

16億円(2025/2期)

2026年2月

カクタス

光アート・イベント企画制作

8.1億円(2025/6期)

2026年4月

魔法

ゲーミングソフトウェア開発

非開示

2026年6月

出典:ニューラルグループ適時開示(2026年2月12日、2026年5月12日)よりKabuGraph作成

これにフォーカスチャネル(広告メディア運営)を加え、2026年9月時点でグループ会社は5社。M&A基準はEV/EBITDA 5.0倍以内で、313社のM&Aアドバイザーから月60〜70件の案件情報を受け取り、採用率3〜4%で厳選しています。

業績推移と財務分析

通期業績推移

創業後に急成長した売上高は、成長率こそ2022年12月期の前期比+184.9%をピークに鈍化し、2024年12月期の35.6億円まで増収が続いたものの、2025年12月期に33.0億円と初の減収に転じました。利益面でも2024年12月期にかろうじて営業黒字化(3,500万円)を達成しましたが、翌期は再び営業赤字(△600万円)。2026年12月期はM&Aの連結寄与で売上高53億円(+60.6%)を計画しています。

通期業績推移(売上高・営業利益・売上高成長率)

出典:決算短信よりKabuGraph作成。2026/12期は会社予想(営業利益の予想は非開示)。売上高成長率は前期比

四半期業績推移(2026年12月期)

2026年12月期のQ2累計(上期)は、M&A子会社の連結寄与で売上高17.8億円(前年同期は17.1億円)と増収。ただし買収関連費用や子会社の統合コストが先行し、営業損失は3.5億円と赤字が拡大しています。会社側はQ2以降に過去最高の四半期売上を達成する見込みと説明しており、下期偏重の計画です。

期間

売上高

営業利益

経常利益

純利益

Q1(累計)

6.8億円

△2.4億円

△2.5億円

△1.9億円

Q2(上期累計)

17.8億円

△3.5億円

△3.7億円

△3.4億円

通期予想

53.0億円

非開示

非開示

非開示

出典:決算短信よりKabuGraph作成。Q1・Q2は累計値

財務体質

2025年10月に13.6億円の公募増資を実施し、財務基盤を大幅に強化しました。2025年12月期末(FY2025/12)の総資産は41.9億円、純資産は18.8億円、自己資本比率は約44.9%(純資産18.8億円÷総資産41.9億円)と改善。ネットキャッシュも△11.4億円から+2.8億円へ転換し、M&A資金を確保しています。

指標

2024/12期

2025/12期

総資産

29.8億円

41.9億円

純資産

6.1億円

18.8億円

自己資本比率

20.6%

約44.9%

BPS

38.78円

108.27円

出典:決算短信よりKabuGraph作成

株価指標

指標

株価

206円

時価総額

約35億円

PER

— (直近通期は純損失のため算出不可)

PBR

1.90倍

配当利回り

0%(無配)

EPS(直近通期)

△6.76円

ROE

△5.7%

出典:東証株価・決算短信よりKabuGraph算出(2026年9月17日時点)

投資家が注目すべきポイント

強み① M&Aによる非連続成長

ニューラルグループ最大の成長ドライバーは、M&Aを軸とした売上の非連続成長です。2026年に買収したポマト・プロ(売上16億円)、カクタス(8.1億円)、魔法(ゲーミング)の3社が通期でフル寄与すれば、売上高は前期比6割増の53億円に達する計画です。313社のM&Aアドバイザーネットワークと、月60〜70件の案件ソーシング体制は小型AI企業としては規模が大きく、継続的な買収余地があります。

強み② 全国12,000拠点のAI実装基盤

デジパーク・デジフローなどのコアサービスが全国12,000拠点以上に導入されている点は、AI企業としての差別化要因です。行政機関との連携実績もあり、「実証実験で終わるAI企業」とは一線を画して実業として運用されている点が強みです。コアサービス領域は過去9四半期連続で前年同期比プラス成長を維持しており、安定した収益基盤となっています。

リスク① 赤字体質と下期偏重計画

上場後6期のうち3期が営業赤字という実績は、投資家にとって懸念材料です。2026年12月期もQ2累計の営業損失は3.5億円と赤字が先行し、通期黒字化には下期に大幅な収益改善が必要です。M&A子会社の連結寄与で売上は増えますが、統合費用やのれん償却が利益を圧迫するリスクは残ります。

リスク② 希薄化と時価総額の小ささ

2025年10月の公募増資(13.6億円)で財務基盤は改善しましたが、既存株主の持分は希薄化しています。時価総額は約35億円(2026年9月17日時点)とグロース市場でも小型の部類。流動性が低いため値動きが荒くなりやすく、M&Aのニュースで株価が大きく動く傾向があります。

競合環境

国内の上場AIエンジニアリング企業との比較では、ニューラルグループの位置づけは以下の通りです。

企業

時価総額

直近売上高

特徴

ニューラルG(4056)

35億円

33億円

エッジAI・M&A型成長

PKSHA(3993)

約1,800億円

約185億円

対話AI・アルゴリズムライセンス

HEROZ(4382)

約130億円

約30億円

将棋AI・エンタープライズAI

データセクション(3905)

約500億円

約45億円

ビッグデータ解析・ロシア事業

出典:各社決算短信・東証株価よりKabuGraph作成(株価指標は2026年9月17日時点)

PKSHAやデータセクションと比べると規模で大きく劣ります。一方、エッジAI×実空間(駐車場・人流・イベント)の組み合わせはユニークなポジションです。全国の営業拠点と12,000拠点の導入実績は、SaaS寄りの他社には無い地上戦の強みといえます。ただし、M&A対象であるイベント・エンタメ領域の競合は多く、AI技術による差別化が収益に反映されるかどうかが今後の評価を左右します。

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3993情報通信・サービスその他

PKSHA Technology

東京大学・松尾豊研究室発のAIアルゴリズム企業。自然言語処理・音声認識・画像認識・機械学習/深層学習を核に、企業向けAIソリューション、AI SaaSプロダクト、AI×人材マッチングの3事業を展開する。主力製品にAIチャットエージェント「P…

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まとめ

ニューラルグループは、画像認識・エッジAI技術を起点に、M&Aでエンタメ・イベント領域へ事業を拡張中の成長途上企業です。

  • 2026年12月期は売上53億円(+60.6%)を計画。ポマト・プロ、カクタス、魔法の3社買収がドライバー

  • コアサービス12,000拠点超の導入基盤が安定収益の支え。9四半期連続で前年同期比プラス成長

  • 赤字体質からの脱却が最大の課題。上場後6期中3期が営業赤字で、Q2累計も△3.5億円。下期の改善が焦点

  • 時価総額35億円・無配と小型グロースの典型。M&Aの成否で評価が大きく動くハイリスク・ハイリターン銘柄

M&Aによる売上拡大が目に見える形で進んでおり、エンタメ×AIの新領域への展開は興味深いテーマです。一方、買収した子会社との統合リスク、利益の不安定さ、時価総額の小ささを考えると、現時点ではリスク許容度の高い投資家向けの銘柄です。下期の業績進捗とM&A子会社の利益貢献を確認しながら、中長期の成長ストーリーが維持されるかを注視すべきでしょう。

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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