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勤次郎(4013)の企業分析|633万人利用のHRMクラウド、営業利益率28%突破の成長力

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勤次郎(4013)は、就業管理・人材管理・給与管理・健康管理を統合的に提供するHRMソリューション企業です。中堅・大企業向けの「Universal 勤次郎」やクラウド勤怠管理「JOBEE」を中心に、633万人超のライセンス利用者を擁する業界大手として成長を続けています。

2025年12月期は売上高53.7億円(前期比+22.6%)、営業利益15.2億円(同+108.2%)と大幅増益を達成。営業利益率は28.3%に急改善し、クラウドシフトの効果が顕著に表れました。会社予想では2026年12月期も売上高60.0億円(同+11.7%)、営業利益16.0億円と増収増益が続く見通しです。

この記事では、勤次郎のHRM事業の構造、クラウドシフトの進捗、業績推移、投資判断のポイントを、個人投資家の視点からわかりやすく解説します。

会社概要 — 勤怠管理40年の老舗がクラウドで飛躍

勤次郎は1981年に石川県金沢市で創業した就業管理システムの老舗企業です。2017年に決算期を3月から12月に変更し、同年に東京へ本社を移転。2019年の10:1株式分割、2024年の1:2株式分割を経て、現在は東証スタンダード市場に上場しています。

主力の「Universal 勤次郎」は業界トップクラスのライセンス利用者数を擁し、勤怠管理・人事管理・給与管理・健康管理を一気通貫で提供するHRMプラットフォームです。近年はクラウドサービスへのシフトを積極的に進めており、クラウド事業の売上構成比は73%に達しています。

項目

内容

会社名

勤次郎株式会社

証券コード

4013(東証スタンダード)

設立

1981年4月

上場

2016年7月(JASDAQ)→ 2022年4月 東証スタンダード

代表取締役社長

加村光造

従業員数

331名(連結、2026年1月末時点)

本社

東京都千代田区(秋葉原UDXビル)

決算期

12月期(2017年に3月期から変更)

セクター

情報・通信業

出典:勤次郎 会社概要よりKabuGraph作成

売上の7割超がクラウド事業

勤次郎の事業は大きく3つに分かれます。クラウド事業(売上比率73.4%)はUniversal 勤次郎やJOBEEのクラウドサービス、オンプレミス事業(同23.7%)は従来型のパッケージ販売・保守、不動産賃貸事業(同2.9%)は保有オフィスの賃貸収入です。

セグメント別売上構成比(2025年12月期)

出典:2025年12月期 決算説明資料よりKabuGraph作成

3つの事業を理解する

Universal 勤次郎 — 中堅・大企業向け統合HRMプラットフォーム

Universal 勤次郎 公式サイト
出典:勤次郎 Universal 勤次郎 公式サイト

Universal 勤次郎は、就業管理・人材管理・給与管理・健康管理の4領域を統合的にカバーするHRMソリューションです。633万人超のライセンス利用者数を誇り、中堅・大企業を中心に導入実績があります。

クラウド基盤として「勤次郎プライベートクラウド」を展開し、シングルサインオン・多要素認証による「勤次郎AuthLink」でセキュアな環境を提供。就業データと健康データを一元管理し、人的資本経営の可視化を支援する点が競合との差別化ポイントです。

  • 就業管理:勤怠打刻・シフト管理・残業管理・36協定対応

  • 人材管理:人事情報・評価・異動履歴・タレントマネジメント

  • 給与管理:給与計算・年末調整・社会保険

  • 健康管理:健康診断結果の管理・ストレスチェック・産業医面談

JOBEE — 中小企業向けクラウド勤怠管理

JOBEE(ジョビー)クラウド勤怠管理システム
出典:勤次郎 JOBEE 公式サイト

JOBEEは、従業員数100名以下の中小企業をターゲットにしたクラウド勤怠管理システムです。Universal 勤次郎で培った勤怠管理のノウハウを、中小企業でも手軽に導入できる価格帯で提供しています。

PC・スマートフォン・タブレットからの打刻に対応し、スケジュール作成から日々の勤怠確認、月次集計、給与連携までをクラウド上で完結。企業規模の異なる顧客層をカバーすることで、HRM市場全体の開拓を図っています。

ヘルス×ライフ — 従業員の健康を「診える化」するアプリ

ヘルス×ライフ 健康管理アプリ
出典:勤次郎 ヘルス×ライフ 公式サイト

ヘルス×ライフは、「ココロとカラダの健康 診える化アプリ」をコンセプトとした健康管理サービスです。歩数管理・血圧・体重などの日常的な健康データと、企業の健康診断結果をデータ化して一元管理します。

2020年以降、健康経営や人的資本開示への関心が高まる中、勤怠データと健康データを連携できる点が勤次郎の独自の強みです。勤務時間が長い従業員の健康リスクを可視化するなど、就業管理の知見を健康管理に活かすアプローチは競合が模倣しにくい領域となっています。

業績推移と財務分析

勤次郎の連結業績(2018年12月期から連結)は、クラウドシフトの進捗に伴い売上・利益ともに着実な成長を見せています。特にFY2025/12は営業利益が前年比+108.2%と倍増し、営業利益率が28.3%に急改善しました。

決算期

売上高

営業利益

純利益

EPS

1株配当

営業利益率

2019年12月期

31.9億円

4.6億円

3.3億円

23.24円

1.5円

14.4%

2020年12月期

34.3億円

5.6億円

3.3億円

20.24円

10.0円

16.4%

2021年12月期

33.2億円

2.6億円

1.6億円

7.97円

8.5円

7.8%

2022年12月期

35.5億円

4.4億円

3.1億円

15.4円

8.5円

12.4%

2023年12月期

39.2億円

5.7億円

3.7億円

19.0円

8.5円

14.5%

2024年12月期

43.8億円

7.3億円

4.6億円

23.6円

8.5円

16.7%

2025年12月期

53.7億円

15.2億円

10.1億円

51.52円

10.0円

28.3%

2026年12月期(予)

60.0億円

16.0億円

10.5億円

53.11円

10.0円

26.7%

出典:決算短信・有価証券報告書・IR資料よりKabuGraph作成。2026/12期は会社予想。EPS・配当は2019年3月の10:1分割、2024年7月の1:2分割を考慮した調整後の値

営業利益率28%の背景 — クラウドのレバレッジ効果

FY2021/12に減収・営業利益率7.8%まで落ち込んだ勤次郎ですが、その後はクラウドサービスのストック型収益の積み上げにより着実に回復。FY2025/12では売上高22.6%増に対して営業利益が108%増と、売上の伸び以上に利益が加速するレバレッジ効果が鮮明になりました。

クラウド事業(売上構成比73.4%)は初期導入コストが小さく、ライセンス数の増加がそのまま限界利益の積み上げに直結します。オンプレミスからの移行が進むにつれ、売上の質が改善しているのが利益率急改善の主因と考えられます。

通期業績推移(売上高・営業利益・営業利益率・売上成長率)

出典:決算短信・有価証券報告書・IR資料よりKabuGraph作成。2026/12期は会社予想

会社予想 — 2026年12月期も増収増益

2026年12月期の会社予想は売上高60.0億円(前期比+11.7%)、営業利益16.0億円(同+5.3%)。増収率はFY2025/12の22.6%から鈍化するものの、営業利益率26.7%と高水準を維持する見通しです。

PERは12.4倍(2026年9月時点)と、同業のSaaS銘柄と比較して割安な水準にあります。配当は1株あたり10.0円(予想配当利回り1.57%)で、FY2025/12から増配に転じています。

投資家が注目すべきポイント

強み・成長ドライバー

1. 40年超の業界知見と633万人の利用者基盤

勤怠管理は法令(労基法・36協定・働き方改革関連法)への準拠が求められる専門性の高い領域です。勤次郎は1981年の創業以来、この領域に特化してきた実績があり、633万人超の利用者基盤は新規参入企業が容易に獲得できるものではありません。

2. クラウドシフトが生む高い利益レバレッジ

クラウド事業の売上比率は73.4%に達し、ストック型収益の比率が高まっています。FY2025/12の営業利益率28.3%が示すように、クラウドへの移行が進むほど限界利益率が上がる構造にあります。オンプレミスからの移行はまだ進行中であり、さらなる改善余地があります。

3. 「勤怠×健康」の独自ポジション

勤怠データと健康データの両方を持つHRMベンダーは国内でも稀です。健康経営優良法人認定制度(経済産業省)や人的資本開示の流れが追い風となり、「ヘルス×ライフ」を通じた健康管理領域は中長期の差別化要因になり得ます。

リスク・注意点

1. 時価総額133億円の小型株リスク

東証スタンダード市場に上場する小型株であり、出来高が限られます。機関投資家のカバレッジも少なく、株価のボラティリティが大きくなりやすい点には注意が必要です。

2. クラウド勤怠管理市場の競合激化

KING OF TIME(ヒューマンテクノロジーズ・5621)、ジョブカン(DONUTS)、マネーフォワードクラウド勤怠など、クラウド勤怠管理市場には有力なSaaS企業が複数参入しています。価格競争や機能競争が激化するリスクがあります。

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3. オンプレミス事業の縮小リスク

クラウドシフトの裏側では、オンプレミス事業(売上比率23.7%)が構造的に縮小する方向にあります。クラウドへの移行がスムーズに進まなかった場合、一時的に全体の売上成長が鈍化する可能性があります。

4. FY2026/12期は増収率が鈍化

会社予想では売上成長率が+22.6%から+11.7%に鈍化する見通しです。FY2025/12に大型案件の計上やクラウド移行の集中があった場合、その反動で短期的にはモメンタムが弱く見える可能性があります。

まとめ

勤次郎は、40年超の就業管理の知見をクラウドサービスに転換し、利益率を急速に改善させている企業です。FY2025/12の営業利益率28.3%は、クラウドのストック型収益モデルが本格的に効き始めたことを示しています。

PER 12.4倍と同業のSaaS銘柄と比べて割安な水準にあり、「勤怠×健康」という独自のポジションと大規模な利用者基盤が評価される余地は大きいと考えられます。一方で、小型株特有の流動性リスクやクラウド勤怠市場の競争激化には留意が必要です。

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コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

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