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サイバートラスト(4498)の企業分析|電子認証とLinuxサポートで11期連続増収、本人確認のiTrustが+60%

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サイバートラスト(4498)は、本人確認・電子署名の「iTrust」や端末認証の「デバイスID」、SSL/TLSサーバー証明書を提供する「トラストサービス」と、国産Linux「MIRACLE LINUX」や組込みLinux「EMLinux」のサポートを中心とする「プラットフォームサービス」の2本立てで成長するデジタルトラスト企業です。

2026年3月期は売上高83.6億円(前期比+12.3%)、営業利益16.5億円(同+16.0%)で、売上高・営業利益とも11期連続の増収増益(会社発表)。継続課金(リカーリング)売上の比率は67.3%で、iTrustの有償API利用件数(本人確認・電子署名などの処理件数)は5,898万件(前期比+52.4%)に伸びました。

2027年3月期の第1四半期(4〜6月の3ヶ月)も売上高+12.0%・営業利益+31.4%と伸びました。一方で2026年9月には、SSL/TLSサーバー証明書の自社発行を一時停止する事態が起きています(リスク要因の4で解説)。

この記事では、サイバートラストの2つのサービス区分の仕組み、業績推移、成長戦略、投資判断のポイントを、個人投資家の視点からわかりやすく解説します。

会社概要 — デジタル社会の「信頼」を支えるインフラ企業

サイバートラストは、2000年に国産Linuxの開発会社「ミラクル・リナックス」として設立されました。2017年に、電子認証局を運営していた旧サイバートラスト(1997年に国内初の商用電子認証局を開いた会社の流れをくむ)を吸収合併し、今の社名になっています。

Linuxの技術と電子認証の技術を組み合わせ、「ヒト」「モノ」「コト」が本物であることを証明してデジタル社会の信頼を支える「デジタルトラスト事業」を営んでいます。

項目

内容

会社名

サイバートラスト株式会社(Cybertrust Japan Co., Ltd.)

証券コード

4498(東証グロース)

設立

2000年6月(ミラクル・リナックスとして)

上場

2021年4月(東証マザーズ)→ 2022年4月 東証グロース

代表取締役社長

北村裕司

従業員数

286名(連結、2026年3月末)

主要株主

ソフトバンク㈱(議決権56.48%、2026年4月〜)

売上高

83.6億円(2026年3月期)

時価総額

約189億円(2026年10月1日終値)

親会社はソフトバンク㈱で、議決権の56.48%を持っています。2026年4月1日に、それまでの親会社SBテクノロジーがソフトバンクに吸収合併され、ソフトバンクが直接の株主になりました。ソフトバンクは売上高で最大の顧客でもあります。

業績は売上高・営業利益とも2026年3月期まで11期連続の増収増益(会社発表)で、電子認証(トラストサービス)とLinuxサポート(プラットフォームサービス)という2つの継続課金型の事業を軸に着実に成長しています。

サービス別の売上構成比(2026年3月期、会社開示)

出典:サイバートラスト 2026年3月期決算短信よりKabuGraph作成

サービス別の売上推移(会社開示)

出典:サイバートラスト 各期決算短信・2026年3月期決算説明資料よりKabuGraph作成。報告セグメントは「デジタルトラスト事業」の1つで、会社が開示するサービス区分ごとの売上。2024年10月の区分見直し前(2022/3〜2024/3)は旧Linux/OSSサービスと旧IoTサービスの合計をプラットフォームサービスとして表示。2027/3は会社予想

2つのサービス区分を理解する

iTrust — 本人確認・電子署名で「ヒト」の信頼を担保

iTrustサービスサイト
iTrust公式サイト

iTrustは、電子証明書・電子署名・本人確認(eKYC)などのデジタル認証基盤を提供するサービス群です。金融機関や行政機関が求める高いセキュリティ水準を満たす「認証局」としての運営実績が、同社の競争力の土台です。ただし2026年9月には、認証局の運営手続きをめぐってサーバー証明書の自社発行を一時停止しています(リスク要因の4)。

特に伸びているのがAPI連携型の本人確認・電子署名です。2026年3月期の有償API利用件数(本人確認や電子署名などの処理件数)は5,898万件(前期比+52.4%)で、累計は1.5億件を超えました。iTrustのリカーリング売上も6.55億円から10.51億円(+60%)に伸びています。

会社が挙げる伸びの理由は、銀行での利用範囲が広がって倍増した金融機関向けの本人確認と、電子契約サービスを提供するパートナー向けの電子署名です。2027年4月の犯罪収益移転防止法の施行規則の改正(成長ドライバーの1で解説)に向けた、金融業界の対応需要も取り込もうとしています。

デバイスID・サーバー証明書 — トラストサービスの安定収益源

Cybertrust Device ID サービスサイト
Cybertrust Device ID公式サイト

トラストサービスの継続課金(リカーリング)売上は2026年3月期で38.1億円です。その中でiTrust(10.51億円)、デバイスID(10.25億円)、サーバー証明書(9.18億円)がほぼ同じ規模で並び、会社はこれを「3本柱」と呼んでいます。

  • サイバートラスト デバイスID:会社や学校が許可したPC・スマートフォン・タブレットだけを社内ネットワークやクラウドにつなげる端末認証サービス。端末に電子証明書を入れて本物かどうかを確かめます。クラウド認証サービスのパートナー経由や教育分野で伸びています

  • iTrust SSL/TLSサーバー証明書:Webサイトの運営者が本物であることを証明し、通信を暗号化するための証明書。証明書の信頼の大元(ルート認証局)であるセコムトラストシステムズと組んで発行しています

出典:サイバートラスト 2026年3月期決算短信・決算説明資料、製品サイトよりKabuGraph作成

MIRACLE LINUX — 国産Linux OSで企業ITを支える

MIRACLE LINUX公式サイト
MIRACLE LINUX公式サイト

MIRACLE LINUXは、企業向けのLinux OSディストリビューションです。OS自体は無償で、長期のアップデート提供(MIRACLE LINUX 9は2032年11月までの10年間、有償サポートに入れば2034年11月まで)と日本語での技術サポートが強みです。金融・通信・製造業など「止められないシステム」に多く採用されています。

プラットフォームサービスは自社のLinuxに限らず、CentOSやAlmaLinuxなど他のLinuxのサポートも手がけています。2024年6月30日にCentOS 7のコミュニティサポートが終わったことで、延長サポートや移行先(AlmaLinux・MIRACLE LINUX)のサポート需要が生まれました。

ビジネスモデルはOSライセンスの販売ではなく、年間サブスクリプション型のサポート契約が中心です。一度導入されると企業は簡単にOSを切り替えられないため、契約が長期化しやすく、ストック型の安定収益を生み出しています。

EMLinux・組込み開発 — 機器の「モノ」の信頼を長期に支える

IoT・組込みLinux向け製品・サービス
IoT・組込みLinux向け製品・サービス(EMLinux)

プラットフォームサービスのもう1つの柱が、組込み機器向けのLinux「EMLinux」と、子会社リネオソリューションズによる組込み・IoT向けの受託開発です。

  • EMLinux:組込みシステム向けのLinux OS。IoT機器に必要な長期保守(10年以上)と脆弱性対応を提供し、自動車・産業機器・医療機器などに採用されています

  • リネオソリューションズ(子会社):自動車や産業機器向けのLinuxを中心とした受託開発。製品の機能がソフトウェア中心に移るなかで案件が伸びています

機器のセキュリティを求める制度も整ってきました。日本では、IoT製品のセキュリティ水準をラベルで示す任意の制度「JC-STAR」が2025年3月に始まりました。EUではサイバーレジリエンス法により、EUで製品を売るメーカーに、2026年9月から脆弱性の報告、2027年12月から製品のセキュリティ要件が義務づけられます。

会社はこうした規制を成長の追い風と位置づけ、欧州サイバーレジリエンス法関連のセキュリティコンサルも伸ばしています。2026年9月には、スマートホーム規格「Matter」に対応する機器メーカー向けに、認証局の構築・運用代行サービスも始めました。

一方で、IoT分野は投資が先行してきました。2024年3月期には、IoT向けの自社ソフトウェア(EMLinuxとセキュアIoTプラットフォーム)に3.45億円の減損損失(投資を将来の収益で回収できないと判断し、資産の価値を切り下げる損失)を計上しています。2024年10月にはIoTサービスをLinux/OSSサービスと統合し、今のプラットフォームサービスになりました。

サービス区分と事業構成

サイバートラストの報告セグメントは「デジタルトラスト事業」の1つだけで、会社は売上を2つのサービス区分に分けて開示しています。各サービスがどちらに属するかを整理します。

サービス区分

主なサービス

FY2026/3 売上

収益モデル

トラストサービス

iTrust(本人確認・電子署名・eKYC)、デバイスID、SSL/TLSサーバー証明書

47.7億円(57.1%)

件数課金+年間契約

プラットフォームサービス

MIRACLE LINUX・AlmaLinux等のLinuxサポート、EMLinux、組込み受託開発

35.9億円(42.9%)

サブスクリプション+プロジェクト

出典:サイバートラスト 2026年3月期決算短信・決算説明資料よりKabuGraph作成

トラストサービスが売上の過半を占め、2026年3月期は+15.3%と伸びを牽引しました(プラットフォームサービスは+8.6%)。伸び率は年によって入れ替わり、2025年3月期はCentOS 7の延長サポートが伸びたプラットフォームサービスが+30.9%でした。

プラットフォームサービスは安定したサポート契約が特徴で、両方を合わせたリカーリング(継続課金)売上の比率は67.3%に達しています。

業績推移と財務分析

サイバートラストの通期業績とバリュエーション指標を確認します。データソース: サイバートラストIR

通期業績推移(売上高・営業利益・営業利益率・売上高成長率)

出典:決算短信・決算説明資料よりKabuGraph作成。2027/3は会社予想

注目すべきは営業利益率の着実な改善です。FY2021の11.7%からFY2026は19.7%まで上昇し、会社予想のFY2027は20%台に乗る見通しです。ストック型売上の積み上がりにより、増収に伴って利益率が改善する構造が機能しています。

FY2024(2024年3月期)は売上成長率が4.8%に鈍化しました。AlmaLinuxとCentOS 7延長サポートの販促の遅れ、CentOS 7延長サポートの大型案件の失注、IoTの受託開発の不振で、期中の2024年1月に売上高の予想を75億円から65億円に引き下げています。

同じ期にIoT関連のソフトウェアで3.45億円の減損を計上したため、純利益は5.2億円(前期比−28.5%)に落ち込みました。翌FY2025は売上高が+15.1%に回復し、売上高・営業利益の増収増益の連続記録は途切れていません。

主要財務指標

指標

FY2025/3

FY2026/3

FY2027/3(予)

売上高

74.4億円

83.6億円

92.5億円

営業利益

14.2億円

16.5億円

18.6億円

営業利益率

19.1%

19.7%

20.1%

純利益

9.7億円

9.9億円

12.4億円

1株配当

11.5円

12円

14円

出典:決算短信よりKabuGraph作成。1株配当は株式分割(2025年10月1日、1株→2株)調整後。FY2027/3は会社予想

2027年3月期 第1四半期(4〜6月の3ヶ月)

2026年7月30日に発表した2027年3月期の第1四半期(2026年4〜6月の3ヶ月)は、売上高21.3億円(前年同期比+12.0%)、営業利益4.06億円(同+31.4%)、純利益2.69億円(同+116.1%)でした。純利益が倍増したのは、前年同期にあった本社移転の特別損失がなくなったことと税効果の影響です(会社説明)。

  • iTrust:本人確認が、改正犯罪収益移転防止法への対応による金融機関での利用拡大で前年同期の2.3倍に。有償API利用件数は2,061万件(前年同期比+70%)と、四半期で初めて2,000万件を超えました

  • デバイスID:政令指定都市の教育委員会から大型案件を獲得

  • サーバー証明書:2026年3月に証明書の有効期間が短くなった影響で減収(リスク要因の4)

  • プラットフォームサービス:大手事業者向けのLinuxサポートや自動車関連の受託開発が伸び、売上高+14.0%

出典:サイバートラスト 2027年3月期第1四半期決算短信・決算説明資料よりKabuGraph作成

通期の会社予想(売上高92.5億円・営業利益18.6億円・純利益12.4億円)は据え置きで、第1四半期の進捗率は売上高23.0%・営業利益21.8%です。会社は年次で業績を管理しており、上期の予想は出していません。

バリュエーション

2026年10月1日終値(1,131円)時点のバリュエーション指標は以下の通りです。

指標

値

コメント

PER

約18.5倍

実績ベース。会社予想EPSでは約15倍

PBR

約2.5倍

2026年3月末の1株純資産で計算

配当利回り

約1.1%

実績12円。予想14円なら約1.2%。FY2023から配当開始、増配傾向

時価総額

約189億円

小型株(流動性に注意)

出典:東証株価・決算短信よりKabuGraph算出(2026年10月1日終値1,131円)。PERは2026年3月期の実績EPS 61.07円、予想PERは会社予想EPS 75.68円で計算

実績PERは約18.5倍、会社予想ベースの予想PERは約15倍です。グロース市場の主なセキュリティ関連銘柄(サイバーセキュリティクラウド約25倍、HENNGE約42倍、FFRIセキュリティ約55倍、グローバルセキュリティエキスパート約56倍。いずれも2026年10月1日終値の実績PER、KabuGraph算出)と比べると低めの水準です。

ただし2027年3月期の純利益+25.3%の会社予想には、前期の特別損失(1.66億円)がなくなる分が含まれています。特別損失がなかったと仮定した場合の伸びは約+13%です(KabuGraph試算)。時価総額は約189億円と小型のため、出来高が少ない日の売買には注意が必要です。

投資家が注目すべきポイント

成長ドライバー

1. iTrustの本人確認・電子署名の処理件数の急増

iTrustの有償API利用件数(本人確認・電子署名などの処理件数)は年間5,898万件(+52.4%)と急成長し、2027年3月期の第1四半期(3ヶ月)も前年同期比+70%でした。伸びを引っ張っているのは銀行の本人確認です。

追い風になるのが、2027年4月1日に施行される犯罪収益移転防止法の施行規則の改正(警察庁)です。口座開設などをオンラインで行うときの本人確認で、運転免許証などを撮影した画像を送る方法が原則として使えなくなり、マイナンバーカードの公的個人認証などICチップを読み取る方法に切り替わります。会社はこの移行に向けた金融業界の前倒しの対応需要を取り込むとしています。

行政では、同社が受注した法務省の商業登記電子証明書のリモート署名システムが2026年7月に運用を始めました。一度APIが組み込まれると利用量に応じて売上が伸びるため、この成長はしばらく続く可能性が高いと見られます。

2. 機器のセキュリティ規制という追い風

EUのサイバーレジリエンス法は、EUで製品を売るメーカーに2026年9月から脆弱性の報告、2027年12月から製品のセキュリティ要件を義務づけます。日本の「JC-STAR」は任意のラベル制度です。

長期の脆弱性対応を売りにするEMLinuxやセキュリティコンサルは、この需要を取り込む位置にあります。ただしIoT分野は2024年3月期に減損を出しており、収益化のペースは見極めが必要です。

3. Linuxサポート需要の継続

CentOS 7のコミュニティサポートが2024年6月30日に終わり、延長サポートや移行先(AlmaLinux・MIRACLE LINUX)のサポート需要が生まれました。足元の伸びは大手事業者・金融機関向けの大型サポート案件によるもので、会社は2027年3月期もAlmaLinuxとEMLinuxのサポートが増えるとみています。

レガシーシステムの移行は一朝一夕には完了しないため、この需要は複数年にわたって続く可能性があります。

リスク要因

1. 小型株ゆえの流動性リスク

時価総額約189億円(2026年10月1日終値)は機関投資家にとっては小さく、1日の出来高が限られる日があります。まとまった売買が株価を大きく動かす可能性があり、特にポジションの解消時にはスリッページ(注文価格と約定価格のずれ)に注意が必要です。

2. 親会社依存と利益相反

親会社グループ(ソフトバンク㈱と、2026年4月にソフトバンクへ吸収合併された旧SBテクノロジー)向けの販売は、2026年3月期で約12億円(売上高の約14%)あります。合併で、議決権の56.48%を持つ親会社と最大の顧客がソフトバンク㈱1社にまとまりました。

親会社の方針変更や取引条件の見直しが業績に影響を与えるリスクがあります。また、大株主の持ち株売却(ブロック売り)が株価の下押し圧力になる可能性も考慮すべきです。

3. 技術の陳腐化リスク

電子認証やLinux OSの分野は技術変化が速く、新しい認証方式の普及やOSS(オープンソース)コミュニティの動向によって事業環境が変わる可能性があります。特にLinux OSは無料の選択肢が多いため、付加価値(サポート品質・長期保守・セキュリティ対応)を維持し続けることが重要です。

4. 認証局の運営とブラウザの審査に左右されるリスク

SSL/TLSサーバー証明書は、AppleやGoogleなどブラウザを提供する会社が認めた認証局から発行されたものでないと、閲覧者のブラウザに警告が表示されます。2026年9月10日、同社はこの審査に関わる手続きの不備のため、自社のサーバー証明書の発行を9月15日から一時停止すると発表しました。

会社の開示によると、原因は、証明書の信頼の大元であるルート認証局のセコムトラストシステムズが同社の新しい中間認証局の証明書を発行した際、2026年8月に改訂されたAppleの規定で必要になった事前承認の手続きに不備があったことです。新しい中間認証局とそこから発行した証明書を失効させる必要が生じ、発行を続けていた旧い中間認証局が9月14日で証明書を発行できなくなるまでに、AppleとGoogleの承認が間に合いませんでした。

9月15日からはセコムトラストシステムズの証明書を代わりに提供しており、10月2日時点で自社発行の再開は発表されていません(承認が下りてから2営業日以内に再開する予定)。会社は顧客対応費用などの発生を見込みつつ、業績への影響額は精査中で、業績予想の変更が必要となる事実は確認していないとしています。

株価は開示の翌日に急落し、9月10日の終値1,229円から9月11日の終値1,047円(−14.8%)になりました。10月1日の終値は1,131円です。

これとは別に、ブラウザと認証局でつくる業界団体CA/Browser Forumの基準により、サーバー証明書の最長有効期間は段階的に短くなります。

  • 2026年3月15日〜:398日 → 200日

  • 2027年3月15日〜:100日

  • 2029年3月15日〜:47日

出典:CA/Browser Forum「Baseline Requirements」6.3.2(Ballot SC-081v3、2025年4月採択)よりKabuGraph作成

有効期間が半分になると1枚あたりの販売単価も半分になるため、会社は2027年3月期の上期(4〜9月)に新規と更新の売上が半減し、第3四半期以降に前年の水準へ戻ると見込んでいます。サーバー証明書は2026年3月期のリカーリング売上で9.18億円(売上高の約11%)を占めます。

まとめ

サイバートラストは、電子認証(トラストサービス)とLinuxサポート(プラットフォームサービス)の2本柱で、デジタル社会の信頼基盤を支える企業です。

  • 強み: 売上高・営業利益とも11期連続の増収増益、リカーリング売上比率67.3%、会社予想では営業利益率が20%台に乗る見通し。iTrustの有償API利用件数(本人確認・電子署名)は+52.4%、2027年3月期第1四半期(3ヶ月)は+70%

  • リスク: 時価総額約189億円の小型株で流動性に制約。親会社ソフトバンクへの依存、認証局の運営とブラウザの審査(2026年9月にサーバー証明書の自社発行を一時停止)、証明書の有効期間短縮による一時的な減収、OSS分野の技術変化に注意

PER約18.5倍・配当利回り約1.1%(2026年10月1日終値)と、グロース市場の主なセキュリティ関連銘柄より低めのバリュエーションです。マイナンバーカードによる本人確認への移行(2027年4月)と、EUのサイバーレジリエンス法による機器のセキュリティ規制という2つの制度面の追い風を持ち、地味ながら堅実な成長が期待できる銘柄といえるでしょう。サーバー証明書の発行再開と、上期の減収からの回復は確認が必要です。


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サイバートラストは、デジタル社会における「ヒト・モノ・コト」の信頼性を支えるデジタルトラスト企業です。SSL/TLS証明書や電子署名等の認証・セキュリティサービス、企業向けLinux OS「MIRACLE LINUX」を核としたOSSプラッ…

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。記事中の株価指標は2026年10月1日終値、業績は2027年3月期第1四半期決算(2026年7月30日発表)までの情報に基づいています。

コラム著者・編集者

K

KabuGraph編集部

KabuGraph編集部は、投資情報の発信と株式分析ツールの開発に携わるチームです。日本株・米国株の事業分析から、投資に役立つ情報をわかりやすくお届けします。

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