中間選挙の株価アノマリーは本当か|選挙後「全勝」を戦前データと日経平均で検証

中間選挙の年の米国株は弱めで、選挙後は強い——1950年以降のS&P500にはそう出ており、選挙前の10月からの1年間は19回すべて上昇しました。ただし1949年以前は19回中10回にとどまり、日経平均は年内の弱さこそ鮮明ですが、選挙後の強さは他の年と区別できません。
自前の集計で、このアノマリーがどこまで信じられるかを検証し、与党が負けた年の違い、売買ルールにした場合の成績まで確かめます。
この記事の内容(目次)
結論:中間選挙の年は弱く、選挙後は強いのか
米国株には「年内は弱く、選挙後に強い」傾向が確かに出ています。ただし選挙後の強さは1950年以降の話で、それより前には見られません。日本株は年内の弱さが鮮明な一方、選挙後の強さは他の年と区別できません。
中間選挙の年は弱いか:S&P500は1950〜2025年の19回で上昇10回、平均+4.5%、中央値(真ん中の値)+2.4%。他の57年の平均+11.2%、中央値+14.0%を下回ります。日経平均は上昇8回、平均+0.5%で、さらに弱く出ています
選挙後は強いか:S&P500は投票前の10月から翌年10月まで19回すべて上昇し、平均+18.2%。他の年に始まる同じ1年は57回中39回(68.4%)、平均+6.5%です。投票の後の11月に始めると19回中18回上昇、平均+14.9%で、翌年の暦年(任期3年目)は19回中17回上昇、平均+16.1%です
どこまで信じられるか:1950年以降に限れば偶然とは言いにくい強さです。ただし1871〜1949年は19回中10回(52.6%)、平均+3.1%で、他の年と差がありません
日本株ではどうか:日経平均の投票日からの1年は19回中14回上昇、平均+15.0%。他の年(56回中38回、平均+9.7%)より高いものの、回数が少なく偶然と区別できません
今回はどうなのか:2026年の開票状況と市場の反応は「2026年の中間選挙で今わかっていること」の節にまとめました
中間選挙とは:大統領の任期の折り返しで議会を選び直す選挙
中間選挙は、4年の大統領任期の2年目に行われる連邦議会の選挙です。大統領は選ばれませんが、法案や予算を左右する議会の勢力が変わります。
投票日:下院は偶数年の「11月の第1月曜日の次の火曜日」と法律で決まっています(2 U.S.C. §7)。上院も同じ選挙で選ばれ(2 U.S.C. §1)、2026年の投票日は11月3日でした
下院:全435議席。任期が2年なので毎回すべて改選されます(米下院の説明)
上院:100議席のうち約3分の1。任期は6年で、2年ごとに一部を改選します(合衆国憲法 第1条第3節)。2026年は定例の33議席に補欠の2議席を加えた35議席でした(Ballotpedia)
州知事:多くの州で同じ日に行われ、2026年は36州でした(NPR(WAMC転載)2026年5月5日)
大統領の党は議席を減らすのが普通です。UCSB American Presidency Project "Seats in Congress Gained/Lost"によると、1950〜2022年の19回で下院の議席を増やしたのは1998年と2002年の2回だけでした。
任期の4年で見ると、中間選挙の年はいちばん弱い
S&P500を大統領の任期の年ごとに分けると、2年目(中間選挙の年)が最も低く、3年目が最も高くなります。
任期の年ごとのS&P500の騰落率(1950〜2025年。2年目が中間選挙の年)
上昇は2年目が19回中10回、3年目が19回中17回で、他の57年は45回(78.9%)です。
ただし年内の弱さの証拠は、それほど強くありません。76年から19年をくじ引きのように無作為に選ぶと、平均が+4.5%以下になる確率は約5.9%です。4つの年のどれかが偶然これくらい弱く見える確率なら約24%あります。
1872〜1949年(Shiller教授のデータよりKabuGraph算出)でも2年目は平均+1.2%と他の59年の+4.1%を下回りますが、差は小さく、3年目も平均+4.1%、上昇10回(19回中)で目立ちません。
大統領選挙サイクルはカレンダー効果の1つです。

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年内の値動きの形:10月まで横ばい、11月から上昇
中間選挙の年と全ての年の平均的な値動き(S&P500、前年12月=100)
前年12月を100とすると、全ての年の平均は10月に106.6まで上がるのに、中間選挙の年は100.4と横ばいのままで、12月に104.5まで戻ります。
年内の下げは他の年より深い
月次平均で測ると:前年12月を起点にした年内の最大下落(高値からの下げ)は、中間選挙の年が平均−11.8%、他の年が−7.4%です
日次で測ると:さらに深く出ます。Nationwideの集計(1950年以降、2026年10月28日公表)は中間選挙の年が約18%、全ての年が約14%。Hartford Fundsの集計(1986〜2022年の10回、2026年公表)は平均16.77%です
底の時期は決まっていない:月次平均で年内の安値が10月だったのは19回中4回(1966・1990・2002・2022年)で、1月だった年も5回あります
下げが深くなること自体は珍しくありませんが、「10月が底」と決まった形はありません。
過去19回の中間選挙の一覧
年内は9回マイナスでしたが、10月からの1年はすべてプラスでした。議席の増減と騰落の間にも、はっきりした関係は見えません。
年・大統領の党 | 下院の議席の増減 | その年のS&P500 | 10月→翌年10月のS&P500 |
|---|---|---|---|
1950 民主 | −28 | +19.4% | +17.6% |
1954 共和 | −18 | +40.8% | +30.9% |
1958 共和 | −48 | +32.6% | +11.9% |
1962 民主 | −4 | −12.7% | +30.0% |
1966 民主 | −47 | −11.3% | +24.0% |
1970 共和 | −12 | −1.2% | +15.3% |
1974 共和 | −48 | −29.2% | +27.5% |
1978 民主 | −15 | +2.4% | +3.9% |
1982 共和 | −26 | +12.6% | +26.4% |
1986 共和 | −5 | +19.9% | +18.0% |
1990 共和 | −8 | −5.7% | +26.0% |
1994 民主 | −54 | −2.3% | +25.7% |
1998 民主 | +4 | +23.7% | +25.9% |
2002 共和 | +8 | −21.5% | +21.5% |
2006 共和 | −30 | +12.2% | +12.9% |
2010 民主 | −63 | +11.8% | +3.0% |
2014 民主 | −13 | +13.6% | +4.5% |
2018 共和 | −41 | −3.6% | +6.9% |
2022 民主 | −9 | −16.3% | +14.6% |
10月からの1年の幅:最小は2010年の+3.0%、最大は1954年の+30.9%
1986年の数字に注意:+18.0%は1987年10月の月中平均までの騰落で、10月19日のブラックマンデーの下げを途中までしか含みません。11月平均どうしなら−0.04%、12月平均どうしなら−3.1%でした

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「選挙後は全勝」はどこまで信じられるか
「19回すべて上昇」は事実ですが、それだけでは強さの証拠になりません。株は長期では上がるので、他の時期と比べて初めて意味が分かります。調べるのは投票の約3週間前にあたる10月の月中平均から翌年10月までの1年で、5つの角度から確かめました。
他の年と比べる:勝率は100%と68%
同じ窓で比べても、1950年以降は中間選挙の年だけが際立っています。相手は任期の他の3年(以下「他の3年」)に始まる同じ1年です。
10月から翌年10月までの1年で上がった回の割合(S&P500)
平均と中央値:中間選挙の年は+18.2%と+18.0%、他の3年は+6.5%と+8.5%
1回の大相場の数字ではない:平均と中央値がほぼ同じで、上位2回を除いても平均+16.8%です
偶然で起きる確率を計算する:偶然とは言いにくいが、決め手でもない
1950〜2025年の10月始まりの1年は76回あり、上昇は58回(76.3%)です。
19回を無作為に選んで全部上昇になる確率:約0.25%(約400回に1回)
19回を無作為に選んで平均が+18.2%以上になる確率:約0.1%
月と年の組み合わせ48通りを全部試したとき、どこかで全勝が出る確率:約5%
窓の長さ(3・6・12か月)まで変えて探したとき:1割弱
下の2つが大切です。「全勝」は結果を見てから見つけた窓で、探す範囲を広げるほど偶然でも見つかりやすくなります。1950年以降は偶然とは言いにくいものの、決め手になる水準でもありません。なお48通りのうち全勝だったのは、中間選挙の年の7月・8月・10月に始まる3つでした。
窓をずらす:全勝は崩れるが、高い勝率は残る
始まりの月を変えた12か月間で上がった回の割合(S&P500、1950〜2025年)
投票の後に始めても:11月始まりは19回中18回上昇、平均+14.9%、12月始まりは19回中17回、平均+16.1%。他の3年は67.9%、66.1%です。10月平均→11月平均だけで平均+2.9%あるので、10月始まりの+18.2%は投票後に買える数字ではありません
年初(1〜2月)に始めると差が消える:1月始まりは19回中11回、2月始まりは19回中14回で、他の3年の78.9%を下回ります
窓を短くする:10月から半年は19回中19回、平均+14.6%(他の3年は66.7%、+4.0%)。3か月は19回中17回、平均+7.2%(他の3年は73.7%、+3.1%)で、強さの大半は最初の半年に出ています
日次で測っても:Nationwideの集計では1950年以降、選挙の1年後に指数が低かった例はなく、12か月の平均は約15%です
1950年より前を見る:全勝は消える
同じ窓を1871〜1949年に当てはめると、19回中10回(52.6%)しか上がりません。平均は+3.1%、中央値は+4.7%で、他の3年の58.3%、+3.9%、+4.8%と変わりません。平均がこれ以上になる確率も約56%で、くじ引きと区別できません。
大きく下げた回(10月からの1年):1930年−42.8%、1906年−31.8%、1902年−27.0%、1922年−13.3%
最後に下げた回:1938年の−1.2%。1942年から数えれば21回連続の上昇で、「1950年から」は区切りのよい起点にすぎません
全期間(1871〜2025年):38回中29回(76.3%)、平均+10.6%、他の3年は117回中74回(63.2%)、平均+5.1%。差は残りますが、大きく縮みます
1950年より前の値はShiller教授が古い資料からつないだ系列で、銘柄の数や市場の姿は今と違います。戦後に政策や市場の仕組みが変わって効くようになったのか、たまたま戦後に勝ちが並んだのかは、このデータだけでは区別できません(KabuGraphの見方)。
直近だけを見る:他の年との差は縮んでいる
1990〜2025年:9回中9回に対し、他の3年も27回中22回(81.5%)と高く、9回全勝は偶然でも約21%で起きます。平均は+15.7%と+8.9%です
2010〜2025年:4回中4回上昇しましたが、平均+7.3%は他の3年の+15.1%(12回中11回上昇)を下回ります
日経平均でも同じことが言えるのか
日経平均では「年内の弱さ」がS&P500より鮮明な一方、「選挙後の強さ」は他の年と区別できません。
年内:1950〜2025年の19回中8回上昇(42.1%)、平均+0.5%、中央値−3.0%。他の57年は73.7%、+15.0%、+14.5%です
期間を分けても弱い:平均は1950〜1989年が+7.3%(他の年+22.5%)、1990〜2025年が−7.1%(他の年+6.6%)です
年内の弱さは偶然か:19年を無作為に選んで平均がここまで下がる確率は約1.5%、4つの年のどれかが偶然これくらい弱く見える確率は約5.9%です。バブル崩壊の1990年(−38.7%)を除くと平均は+2.6%になります
投票日からの1年:19回中14回上昇(73.7%)、平均+15.0%、中央値+12.2%。他の年は56回中38回(67.9%)、+9.7%、+8.4%です
この強さは偶然か:無作為に選んで平均がここまで上がる確率は約22%、14回以上上がる確率は約43%で、差はあっても偶然と区別できません
中間選挙の年の日経平均の騰落率
米国の全勝と重ならない:S&P500が上がった19回のうち、日経平均は5回下げました(1962・1966・1994・2006・2010年)
1990年以降:投票日からの1年は9回中6回上昇、平均+7.8%で、他の年は26回中15回(57.7%)、+3.1%です
S&P500と同じ10月からの1年でも:19回中15回上昇、平均+16.6%、他の3年は70.2%、+9.6%で、結論は変わりません
なお日経平均は円建て、S&P500はドル建てです。米国株の投資信託を円で持つ場合は、為替の動きも加わります。
投資家にとっては、米国株の経験則をそのまま日本株に当てはめるのは無理があるということです。
与党が負けた年、ねじれた年は違うのか
S&P500では、大統領の党が下院の多数を失った年も失わなかった年も、10月からの1年はすべて上がりました。選挙後のねじれ(大統領の党と下院の多数派が別)で分けても、差はほとんどありません。
下院の多数を失った6回:1954・1994・2006・2010・2018・2022年。6回中6回上昇、平均+15.7%、中央値+13.8%
それ以外の13回:13回中13回上昇、平均+19.4%、中央値+21.5%。うち8回は選挙前からねじれていた年です
選挙後にねじれた14回と、そうでない5回:平均+17.8%と+19.4%
上下両院の多数を失った3回:1954年+30.9%、1994年+25.7%、2006年+12.9%
出典:多数派は米下院 "Party Divisions"と米上院 "Party Division"、騰落はRobert Shiller教授のデータ(ie_data.xls)よりKabuGraph算出。
日経平均では下院を失った年の差が開きますが、回数が少なく断定はできません。投票日からの1年は、下院の多数を失った6回が3回上昇、平均+4.6%、それ以外の13回が11回上昇、平均+19.7%です(FRED「NIKKEI225」よりKabuGraph算出)。
上下両院の多数を失った3回:1954年+23.6%、1994年−8.9%、2006年−1.8%
ねじれで分けると:選挙後にねじれた14回が平均+15.6%、そうでない5回が+13.2%で、差は逆向きになります
偶然か:19回から6回を無作為に選んで平均がここまで下がる確率は約4.0%です
時期の偏り:6回のうち5回は日本株が長く低迷した1990年以降にあります。1990年以降だけなら、5回が平均+0.8%、残り4回が平均+16.4%です
証券会社の集計:マネックス証券(1949年6月〜2025年、2026年9月30日公表)でも、下院の多数を失ったケースの11月〜翌年3月末の累積平均は+0.29%です(中間選挙の年全体は+9.79%)
2026年の中間選挙で今わかっていること
上院:民主党が多数を握る見通しとCBS News(11月4日1時28分(米東部時間)更新)とCNBC(11月4日2時24分(米東部時間)更新)が判定しました。CNBCは民主党が少なくとも51議席としています
下院:同じく民主党が多数を握る見通しで、CNBCは少なくとも245議席(過半数は218)としています
未確定:ミシガン・ミシシッピなどの上院選は、CBS Newsの同じ時点でまだ当選者が判定されていません
過去との比較:選挙前は共和党が上下両院の多数を持っていたので(米下院・米上院の資料)、判定どおりなら大統領の党が両院の多数を失うのは1950年以降で1954・1994・2006年に続く4回目です。新しい議員の任期は2027年1月3日に始まります(合衆国憲法修正第20条)
市場の反応
日経平均:休日明けの11月4日の終値は前営業日比893.23円安の62,188.63円(−1.42%)で、下げ幅は一時3,000円を超えました(日本経済新聞)。民主党の優勢でAI規制への懸念が広がり半導体・AI関連が売られ、その後は押し目買いで下げ幅を縮めたと報じられています(フィスコ)
米国の先物:S&P500先物は11月3日23時57分(米東部時間)に−1.3%(Fox Business)、11月4日2時12分に−0.21%(CNBC)と報じられました。データセンターやAIへの規制が強まるとの懸念が挙げられています
選挙翌日の下げは、過去には1年後をあまり占っていません。投票日の次の営業日に日経平均が下げたのは19回中9回で、そのうち6回は投票日から1年後に上がっていました(平均+12.6%)。下げなかった10回は8回が上昇(平均+17.1%)です(FRED「NIKKEI225」よりKabuGraph算出)。
選挙前の相場は、平均的な中間選挙の年とは違った
S&P500:2025年末から2026年11月2日までの終値で+10.2%。年内の高値からの最大の下げは3月30日までの−9.1%です(FRED「SP500」)
日経平均:2025年末から2026年11月2日までの終値で+25.3%。最大の下げは7月29日までの−15.1%です(FRED「NIKKEI225」)
過去との比較:S&P500の前年12月平均→10月平均は+12.7%で、過去19回の平均+0.4%を大きく上回ります
割高さ:シラーPERは2026年10月に40.7倍で、過去19回の10月で最も高かった1998年の33.8倍を上回ります(KabuGraphの指標ページ、Shiller教授のデータ)

シラーPER(CAPE)とは|S&P500は40.6倍、ITバブル以来の高水準
シラーPER(CAPE)は株価を過去10年のインフレ調整後の平均利益で割った指標。S&P500は2026年9月に40.6倍と1881年以来の中央値16.6倍の約2.4倍。30倍以上で始めた10年の実質リターンは平均年−1.0%。計算方法・推移・限界を解説。
なぜそうなるのか:仮説はあるが決着していない
理由は分かっていません。よく挙げられる説明を、仮説として並べます。
不確実性が消える:選挙前は政策が読めずに株価が抑えられ、終わると戻るという説明です。Pástor & Veronesi(2013)は、政治の不確実性に投資家が上乗せの利回りを求めることを理論と実証で示しました。ただし中間選挙そのものを調べた論文ではありません
再選に向けた景気対策:任期の3年目に政権が景気を押し上げる政策に傾くという説明です(Stock Trader's Almanac編集長 J. Hirsch、Wiley 2013年10月10日)。Booth & Booth(2003)は任期後半のリターンが前半より高く、景気の指標では説明し切れないと報告し、Wong & McAleer(2009)は1965〜2003年の米国株が前半に下げて2年目に底を打ち、3〜4年目に天井をつける形を、特に共和党政権で示しました
下げた分が戻るだけ:KabuGraphの集計では、前年12月→10月の騰落が+5%以下だった9回は10月からの1年の平均が+21.3%、+5%超の10回は+15.5%です。反発は説明の一部になりそうですが、上がっていた年も全部上がっているので、これだけでは足りません
偶然:1950年より前に同じ形が見られないことは、この説明と矛盾しません
KabuGraphの見方では、どの説明も「なぜ1950年以降だけなのか」と「なぜ日本株の選挙後には出ないのか」までは答えていません。理由が分からないものは、いつ消えても不思議ではないと考えておくのが無難です。
売買ルールにしたら儲かるのか
「10月からの1年だけ持つ」は、ずっと持つのに大きく負けます。持っている間の成績がよくても、残りの3年の上昇と配当を取り逃がすからです。
持ち方 | 何倍になったか | 年率 |
|---|---|---|
ずっと持つ | 3,676倍 | +11.5% |
投票前の10月から1年だけ持つ | 421倍 | +8.3% |
中間選挙の年の1〜10月だけ降りる | 5,802倍 | +12.1% |
「年内だけ降りる」は税引き前なら多くの始点で勝ちますが、課税口座では逆転します。
始点を変える(税引き前):中間選挙の年の10月19通りを始点にすると、「降りる」が16通りで勝ち、負けは2002・2006・2022年です(終点は2026年6月)
税金:売るたびに売却益へ20.315%(国税庁 No.1463の所得税15%と復興特別所得税、住民税5%)がかかると置くと、同じ19通りのうち17通りで「ずっと持つ」が勝ちます。1950年始点は2,930倍に対して1,309倍です(配当は受取時に課税せず再投資分を売却時の利益に含め、待機中の利息には同じ税率をかけた試算)
NISA:売却益は非課税なので税引き前の比較に近づきますが、売った分の枠が戻るのは翌年以降で、年間の投資枠にも上限があります(金融庁)。同じ売買を毎回できるとは限りません
1871年1月→1949年10月:配当込みで233倍に対して123倍と負けます(短期金利のデータが無いので、持っていない間は長期金利で増えるという甘い条件)
窓の選び方:「1〜10月」は結果を見てから選んだ窓なので、過去の成績はそのぶん良く出ています
投資家にとっては、課税口座で長く持つなら、このアノマリーで売買する優位は確認できません。NISAなら税の不利は消えますが、枠の制約と、戦前は負けていたこと、窓の選び方の問題は残ります。
まとめ:このアノマリーをどう扱うか
S&P500:1950年以降は中間選挙の年に弱めで(平均+4.5%)、投票前の10月からの1年は19回すべて上昇しました(平均+18.2%)。投票後の11月に始めると19回中18回です
日経平均:年内は弱く(平均+0.5%)、投票日からの1年は他の年と区別できません
信じ切れない理由:1871〜1949年は19回中10回で効果が消え、2010年以降の平均は他の年を下回ります
与党の勝敗:S&P500では、下院の多数を失っても失わなくても10月からの1年は上がっており、結果で分ける根拠は見つかりません
売買ルール:10月からの1年だけ持つのは大きく負けます。年内だけ降りるのは、税引き前なら多くの始点で勝ちますが、課税口座では逆転します









