キャピタルゲインとインカムゲインの違い|税率20.315%の内訳とNISA非課税の活用法

投資で得られる利益は大きく2種類あります。資産を売却して得るキャピタルゲイン(Capital Gain=売却益)と、保有中に受け取るインカムゲイン(Income Gain=配当・利子・賃料など)です。この記事では両者の違い、税金の仕組み、投資商品ごとの具体例、そして自分に合った投資スタイルの選び方までを整理します。
この記事の内容(目次)
キャピタルゲインとは
キャピタルゲイン(Capital Gain)とは、保有している資産を購入価格より高い価格で売却した際に得られる利益のことです。日本語では「売却益」「値上がり益」「譲渡益」とも呼ばれます。
たとえば1株1,000円で購入した株式を1,500円で売却すれば、1株あたり500円のキャピタルゲインです。逆に800円で売却すれば200円の損失が発生し、これをキャピタルロス(売却損・譲渡損)と呼びます。
キャピタルゲインの特徴
利益が大きくなる可能性がある — 株価が2倍・3倍になれば投資元本を大幅に上回るリターンが得られる
損失リスクも大きい — 価格が下落すれば元本を割り込む可能性がある
売却するまで利益が確定しない — 保有中の含み益は「未実現利益」であり、課税もされない
タイミングの見極めが必要 — 「いつ売るか」が利益を大きく左右する
インカムゲインとは
インカムゲイン(Income Gain)とは、資産を保有している間に継続的に受け取れる利益の総称です。株式の配当金、債券の利子(クーポン)、投資信託の分配金、不動産の賃料収入などが該当します。
インカムゲインの特徴
保有するだけで定期的に収入を得られる — 株式なら年1〜2回の配当、債券なら半年〜年1回の利払い
収入の予測が立てやすい — 配当予想や利率から受取額をある程度見積もれる
1回あたりの金額は小さい — 日本株の配当利回りは平均2%前後。100万円投資で年間約2万円
減配・無配リスクがある — 業績悪化で配当が減額・停止される可能性がある。債券も発行体のデフォルトリスクがある
キャピタルゲインとインカムゲインの違い一覧
両者の違いを一覧で比較します。
比較項目 | キャピタルゲイン | インカムゲイン |
|---|---|---|
利益の源泉 | 資産の値上がり(売却時に確定) | 資産の保有(配当・利子・賃料) |
利益の発生頻度 | 売却時の1回のみ | 定期的・継続的 |
リターンの大きさ | 大きい(数倍〜になることも) | 小さい(年率数%が一般的) |
リスク | 高い(価格変動の影響を直接受ける) | 比較的低い(ただし減配・デフォルトリスクあり) |
利益の予測 | 困難(市場価格に左右される) | ある程度可能(利率・配当予想が公表) |
課税タイミング | 売却して利益が確定したとき | 配当・利子を受け取ったとき |
税率(上場株式) | 20.315%(申告分離課税) | 20.315%(源泉徴収または申告) |
投資商品別のキャピタルゲイン・インカムゲイン
同じ「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」でも、投資商品によって形態が異なります。
投資商品 | キャピタルゲイン | インカムゲイン |
|---|---|---|
株式(個別株) | 株価の値上がり益 | 配当金・株主優待 |
投資信託 | 基準価額の値上がり益 | 分配金 |
債券 | 途中売却時の値上がり益 | 利子(クーポン) |
不動産(現物) | 物件の売却益 | 家賃収入 |
REIT(不動産投資信託) | 投資口価格の値上がり益 | 分配金 |
FX(外国為替証拠金取引) | 為替差益 | スワップポイント |
預貯金 | —(元本保証のため原則なし) | 利息 |
キャピタルゲイン・インカムゲインの税金
投資で得た利益には税金がかかります。上場株式等の場合、キャピタルゲインもインカムゲインも税率は同じ20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)です。
税率20.315%の内訳
税目 | 税率 | 備考 |
|---|---|---|
所得税 | 15% | 申告分離課税 |
復興特別所得税 | 0.315% | 2026年は所得税額の2.1%。2027年以降は復興税1.1%+防衛特別所得税1.0%に再編(合計2.1%は変わらず、2047年まで) |
住民税 | 5% | 一律 |
合計 | 20.315% |
キャピタルゲイン(譲渡所得)の課税
申告分離課税 — 給与所得などの他の所得とは分離して税額を計算する
損益通算が可能 — 同じ年の上場株式等の売却損と売却益を相殺できる。さらに配当所得(申告分離課税を選択した場合)とも相殺可能
繰越控除 — 損益通算しても控除しきれない損失は、翌年以降3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺できる(確定申告が必要)
特定口座(源泉徴収あり)を選べば、証券会社が売却のつど税金を差し引くため確定申告が原則不要
インカムゲイン(配当所得)の課税
上場株式の配当金は、受取時に20.315%が源泉徴収されます。確定申告の方法は以下の3つから選択できます。
申告不要(源泉徴収で完了) — 確定申告せず源泉徴収20.315%で課税が完結。最も手軽
申告分離課税 — 株式の譲渡損失と損益通算したい場合に選択する
総合課税 — 給与所得などと合算して累進税率で課税。課税所得が695万円以下なら税率が20.315%を下回り有利になる場合がある。また配当控除(配当額の10%)が適用される。ただし確定申告で所得に合算すると、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の算定基礎に含まれるため、税金は安くなっても社会保険料が上がり、トータルで損をするケースがある点に注意
NISA口座なら非課税
2024年に制度が拡充された新NISAを使えば、キャピタルゲインもインカムゲインも非課税で受け取れます。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有限度額 | 合計1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) | |
非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
対象商品 | 長期積立・分散に適した投資信託 | 上場株式・投資信託等 |
キャピタルゲイン | 非課税 | 非課税 |
インカムゲイン | 非課税 | 非課税 |
キャピタルゲインとインカムゲイン、どちらを重視すべきか
「どちらが良いか」に正解はなく、投資の目的・期間・リスク許容度によって選ぶべきスタイルが変わります。
キャピタルゲイン重視が向いている人
資産を大きく増やしたい(資産形成期の若い世代など)
市場や企業を分析する時間と関心がある
一時的な含み損に耐えられるリスク許容度がある
当面の生活費として投資収入を必要としない
インカムゲイン重視が向いている人
定期的な現金収入がほしい(生活費の補填、退職後の収入源など)
投資にあまり時間を割きたくない
価格変動による損失をなるべく避けたい
配当の再投資で長期的に資産を育てたい
両立するポートフォリオの考え方
実際の投資ではキャピタルゲインとインカムゲインは排他的ではなく、両立が可能です。たとえば高配当株を保有すれば、配当金を受け取りながら株価の値上がりも期待できます。
ポートフォリオの一例として、以下のような分け方が考えられます。
コア(資産の中心) — インデックス投信の積立(キャピタルゲイン狙い+NISAで非課税)
サテライト(収入源) — 高配当株・REIT(インカムゲイン狙い。成長投資枠で非課税に)
安定枠 — 債券・預金(インカムゲイン+元本の安全性)
大切なのは「どちらか一方」ではなく、自分の目的に合わせてバランスを取ることです。

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まとめ
キャピタルゲインは資産の売却による値上がり益。大きなリターンが狙える反面、価格変動リスクも大きい
インカムゲインは保有中に受け取る配当・利子・賃料。安定的だが1回あたりの金額は小さい
上場株式等ではどちらも税率20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)。新NISAを使えば非課税
どちらが良いかは投資の目的・期間・リスク許容度次第。両立も可能なので、ポートフォリオ全体でバランスを取ることが大切










